唾眠とは”脳の休息時間”であり、必然的に脳神経に支配されている運動系及び感覚系器官も活動を休止します。
しかし、脊髄以下の自律神経系(殆どの内臓器官)は休止することなく、終生働き続けます。
脳はなぜ毎日、一日の1/3も休養が必要なのでしょうか。
通常、人は眠らないで60時間以上普通の思考力で働き続けることは不可能で、
子犬は120~150時間(5~6昼夜)眠らせないと死亡するという断眠実験が残っていますが、
睡眠が必要な理由については未解明です。
きちんと睡眠をとることによって、覚醒中の活動や思考が円滑になることは誰でも経験的に判っていますが、
そのメカニズムの一端を示します。
まず、全ての生物には「概日周期生物時計」と呼ばれる遺伝子があり、人では脳の視床下部に存在します。
そして、所謂活動性ホルモンとされる”コルチゾール”を午前2時から7時頃の間に分泌し、
睡眠ホルモンとされる”メラトニン”を午後10時から午前5時頃の間に分泌しています。
従って、22~23時頃に入眠し、6時前後に起きるのが本来備わっている生体サイクルに合ったパターンです。
睡眠の充足度は”睡眠量”として表し、「睡眠量=睡眠深度x睡眠時間」で計算します。
成人の平均睡眠時間は7~8時間ですが、速く深く眠れる人は5~6時間でも充分満足感が得られるわけです。
実際の睡眠は1晩に4~6回の深さの周期がおきています。
そして、”レム睡眠”と呼ばれる浅い眠りのときに、夢を見たり、寝言を言ったりし、
瞼の上から眼球が方向不定の急速な動きをしているのが見えます(RapidEyeMovement;REM)。
奥さん(またはご主人)の寝顔を覗いて見てください。
1人寝の人は犬や猫でも良く見られますので代用してください。
睡眠障害の要因は多彩ですが、改善法は次の2点です。
1)唾眠・覚醒サイクルを正常化しようと本人が固く決心すること。
2)”起床時刻”を決めて絶対に守ること(休日でも変えないこと)。
長年子供を指導してきた経験によると、およそ3週間で達成できると思います。
以下に子供に与えた「早起きレシピ」、「早寝レシピ」の項目を挙げておきます。
早起きレシピ
・決めた時刻に必ずベッドからでる
・朝日をあびる
・朝食をしっかり食べる
・日中適度の運動をし、活動する
・家族皆で早起きの習慣にする
・夜更かしをしない
・(赤ん坊のときから起こす時刻を守るように母親を指導する)
早寝レシピ
・夕食を早めに食べる
・決めた時刻にベッドに入る
・風呂に入り冷えない間にベッドに入る
・テレビやビデオを見る時間を決める
・寝る前に決まった儀式をする
(歯磨き、トイレ、本読み、音楽など)
・お気に入りアイテムをつくる
(人形、タオル、枕など)
良質の睡眠は記憶力を高めるという実験も様々な分野で行われています。
一生涯にわたって毎日の集積ですので、早く始めるほど収穫は大きいでしょう。
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