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施設長コラム

“痒み”を感知する特定センサーついに発見さる!


人間の皮膚には“痒みを感知する特定の神経細胞はない”と習い、これまで信じていました。
教科書にはっきりと「通常の知覚神経は、痛覚、温覚、触覚及び圧覚の4種類で、このうち、痒みのセンサーとなるのは痛覚神経で、正常の皮膚では、真皮内にある。遊離したヒスタミンという物質によって、“痛みにより弱い感覚”を“痒み”として感知する。

医学的にみれば、痛覚は、“その部位に異常が発生しているサインであり、修復を要するという警告です。そして、痛みの強さによって脅威となる程度を段階的に示しており、生命への影響が大きいほど強い痛みになります。以上ではあるが生命を脅かすほどではない場合に“痒み”となり、さらに軽い程度は“こそばゆさ”として感知する。」と書かれていました(?)
表皮が乾燥する冬に、入浴後皮脂を落とされて痛覚細胞がむき出しになった状態のまま布団に入って、体が温まると痒みが始まります。あるいは、高齢になって表皮が薄くなり、しかも皮脂が減少すると、常に痛覚細胞が外気にさらされた状態になり、終日広範囲に痛みを感じるようになるのです。「皮膚掻痒症」といる立派な病名がつきます。痒みは心理的にイライラ感をもたらし、夜間不眠の原因になります。また、子供の原因不明の“むずかり”や夜泣きの一因ともみなされています。〔痒いところに手が届く介護〕が理想とされるのは、十分故あることなのです。このような実感からも“痛覚細胞、痒み感知説”を不思議に思うことはありませんでした。

ところが、2013年1月に“最近痒み感知細胞が発見されました”と報告され、世紀の大発見と大いに期待しました。まだ、未解明部分が多いようですが、脳の痛覚領域である「中心後回」とは異なる「楔前部」にその座があるということです。また、終末細胞も痛覚細胞のある真皮ではなく、上皮内と推定されているようでした。その後、関連する報告や報道が見られませんので、気をもんでいます。早く新たな治療法あるいは薬剤の開発がなされることを、“老人性皮膚掻痒症”と宣せられた身としては切に望み、待ちます。


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