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施設長コラム

“相手の身になって考える”ことはは可能か?


目常生活に於いて本気で相手の身になって考えることがどれだけあるでしょうか。
夫婦か子供など極く親しい間では、良かれと思ってなにかをしてやることはあるでしょうが、
それとても、本当に相手が求めているものは何かと深く考えたわけではないでしょう。同じような
経験があれば、そのとき自分がして欲しかったことを思い出して、してあげることはできるでしょう。
それでも、「今どうしたいですか?」あるいは「何が望みですか?]と聞かなければ、一人よがりにな
る可能性は否めません。経験量(年齢)と経験の種類(地位や立場)や遭遇場面とその段階等に
よって”必要となるもの”は刻々と変化するはずです。

「自分がして欲しいと思うことを相手にしてあげなさい。」とか、「自分と同じように友を愛せよ。」
という教えの実行には、よほどの思慮の深さと配慮が要求されます。ともあれ、
被災時や困窮中に差し出される経済的援助や衣食住の補給に嫌悪感を抱く人はいないでしょうし、
精神的打撃を受けた人に同情を示すことも忌避はされないでしょう。ただし、そのような場合でも
添える言葉には充分神経を使わなければなりません。
ことほど左様に、心の底から喜んで受け取ってもらえる配慮とは実にむつかしいものです。
日頃から相手の立揚に立って、”自分であれば今なにを求めるだろうか”というイメージトレーニング
を積んで、感性を磨いておかなければなりません。同時に真意を伝える言葉の選択や、誤解を招
かない場面の選定も重要です。
主観をどれだけ客観に近付けた考え方や行動がとれるかという心理学的訓練を、小学校低学年
からの道徳教育にぜひ取り入れて欲しいと願っています。
“いじめている児の心が生まれながらにして歪んでいることは絶対にありません。”
また、人は”知らないことは行えないだけでなく、考えることすらできません”。他人に痛みを強い
る行為を、いつかどこかで見たか、自分がされたことがあるはずです。従って、そのような行為を見
、聞きすることがない生育環境が絶対に必要です。おとな社会に流れている悪習を断ち切ることが
できるのは、信念を持った人による教育だけです。
まず、皆さんは自分の子供が間違っても”でき心”など起こさないように教育してください。
そして、鍵など掛けずに網戸越の風が通り抜ける部屋で安心して寝られる世の中にし、表題の質問に
「Yes」と答えさせてください。


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